真空パック機(真空包装機)とは?家庭用と業務用の違いやメリットデメリットは?
こんにちは。TOSEIライターチームです。
この記事では業務用の真空パック機についてご紹介しています。飲食店をはじめとる食品関係から、工業、医療、アパレル、物流と幅広い分野で活躍する真空パック。プロ向けの業務用真空パック機の導入を検討されている、買い替えを希望されている方向けのお役立ち記事です。
真空パック・真空包装機とは?
内部の空気を抜いて真空にすることで、なかに入れたものの品質を保つ真空パック(真空包装)。食品の保存や流通、テイクアウトやデリバリーの梱包、さらには工業製品の保管や輸送など、さまざまな場面で活用されています。最近では、食材をフィルムやポリ袋など入れ、低温で加熱する真空調理(低温調理)でも注目されるなど、真空パックはますます身近になっています。
そして、フィルムや袋のなかの空気を抜いて真空パックにするために用いる機器が「真空包装機」です。
1.真空パックできるもの・注意が必要なもの
このようにさまざまな場面で活用されている真空パックですが、どのようなものに活用できるのでしょうか。
食材・食品
肉や魚、野菜や果物などさまざまな個体の食材はもちろん、スープやソースなどの液体、粉類、素材の味付けなどにも活用できます。
また、お惣菜やお弁当なども真空パックにすることで、食品の乾燥や酸化を防ぎ、鮮度を保つことができます。
ただし、スープなどの液体や調理したての熱い食材などを真空パックにする場合は、熱に対応した真空包装機を使用する必要があります。
工業部品・半導体
液体、固体、粉体関わらず活用できる真空パック(真空包装)は、工業製品の保管・輸送においても、さまざまな包装に活用されています。たとえば、酸化しやすい自動車の部品や基板、劣化しやすいゴム、品質管理が厳しい、医療製剤、人工関節、ハードディスク、レンズ、IC(集積回路)にも適しています。
電気機器産業では、半導体やプリント基板の防湿包装として、輸送や保管時に活用可能です。湿度コントロールされた研究室や実験室内で使用される器具、湿気を嫌うプリンターのトナーなどにも真空包装が役立ちます。
ただし、大気の圧力が緩和されることで袋にピンホールができる可能性がある基板、リードフレームなどの角がある物の包装では、真空パックではなく、空気を抜いた後に不活性ガスを補填する「ガスパック」が適しています。
衣類・布団など
衣類やタオル、クッション、布団、スポンジなど、やわらかくて空気が多く含まれている商品の保管や輸送にも、真空パックを活用できます。
2.真空パックのメリット・デメリット
では、真空パックを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょう。また、事前に知っておきたいデメリットとは? 業種別に見ていきましょう。
業種別にみる真空パックの導入メリット
調理・食品加工
食品の保存や流通、テイクアウトやデリバリーの梱包、さらには真空調理など、さまざまな場面で活用できる真空パックには、どのようなメリットがあるのでしょう。
食品・食材の鮮度維持・保管品質向上
食品や食材を真空パックで保存することで、酸化による食材の劣化や、変色、カビなどの発生を抑えます。また、冷蔵保存によって食品が冷凍焼けしたり、臭い移りや霜が付いたりといった心配もなく、これまで冷凍保存がしづらかった商品も、つくりたてを新鮮パックできます。
時短や作業効率のアップ
食品を真空パックして保存することで、通常の2〜3倍の日持ちを実現できると言われています。そのため、一括で仕入れて調理するまとめ調理や、仕込み調理など、下準備の幅が広がります。また、スピーディーに味が染みこむ真空調理によって、調理時間を短縮しながら味の均一化を実現し、無駄なくおいしく調理できます。
経費削減
調理にかかる手間や時間を削減することで、結果的に人件費や光熱費の削減が見込めます。また、真空調理を活用することで調味料なども削減可能になり、調理にかかる全体の経費カットが期待できます。
新たな販売形態で売上拡大
真空パック(真空包装)を活用することで、テイクアウト・ネット販売などの外販メニューの開発や、真空調理やクックチルなどを活用した新商品の開発によって、新たな販売形態や商品開発が可能に。顧客拡大により、売上アップが見込めます。
保管スペースの効率化
食材を真空パックにして冷蔵・冷凍保存することで、鍋やタッパーでの保管に比べて保管スペースの効率化を実現します。また、密閉された真空パックなら、ひとつの冷蔵庫・冷凍庫に並べても、におい移りの心配がありません。
介護の現場(介護食)でも活躍
酵素を用いて食材を形のまま柔らかくする手法「凍結含浸法」にも、真空パックを活用可能。見た目はそのままに、柔らかい食事を提供できる介護食を提供できます。
食品ロスの削減
まとめ調理や食材・食品の長期保存が可能になることで、廃棄する食材や食品を削減。食品ロス対策とともに、経費削減にもつながります。
HACCP(ハサップ)対策の実現
食品を高温(60〜95℃)のまま真空パック(ホットパック)を行うことで、HACCAPに沿った飲食店の衛生管理のなかでも重要なポイントとなる「二次汚染防止」対策が可能になります。また、真空パックで密閉することでも、食中毒菌の付着と増殖リスクを低減可能です。
ハラルやアレルギーへの対応
食材同士が触れあうことを避けられる真空パックの特徴を活かして、ハラル(イスラム教を信仰する人が食べられるもの)対応メニューの導入や、アレルギーなどで隔離したい調理が可能に。より幅広い顧客にアピールできます。
工業部品・半導体
電気機器産業から薬剤・医療系医療系まで、さまざまな工業製品において活用されている真空パックのメリットを見ていきましょう。
製品の保管・輸送時の品質安定化(防塵・防湿・防錆)
工業製品の保管や輸送に真空パックを活用することで、「防塵」「防湿」「防錆」の3つの効果が期待でき、安定した品質での長期保管や輸送が可能になります。
たとえば、酸化しやすい自動車の部品、基盤、ネジなどでは、錆び、ゴムなどの部品の劣化を予防。また、品質管理が厳しい、医療製剤、人工関節やIC(集積回路)などでは、クリーンルーム内で制作された部品を真空包装することで、クリーンルームと同じ無菌、無塵の高品質な状態での保管・出荷が可能です。
保管・輸送スペースの効率化
コンパクトな包装を実現することで保管・輸送のスペースを効率化。保管・物流コスト削減につながるとともに、運搬時の振動での形状破壊を防ぎます。
どんな形状のものもパック可能
液体、固体、粉体に関わらず活用できるので、工業製品の保管・輸送においてさまざまなシーンで活用されています。
反復ガスパック機能による高濃度パック
真空包装には、袋内の酸素を抜いた状態で密封する真空パックに加え、酸素を抜いた後にガスを充填するガスパックもあります。「ガス反復機能」による高濃度パックを行うことで、医療系での活用に重宝します。
配送・保管(物流、ネットショッピングなど)
工場から物流倉庫へ、物流倉庫から店舗へ、そしてお客さまへ。ネットショッピングなどの商品の保管・輸送における真空パックのメリットを見ていきましょう。
配送コストの削減
真空パックを活用して商品をコンパクト化することで、輸送コストの大幅な削減を実現します。特にやわらかくて空気が多く含まれている衣類やタオル、クッション、布団、スポンジなどに有効です。たとえば、真空パックを活用することで同じダインボール箱に入る個数が10倍になれば、1個あたりにかかる送料は1/10になります。
保管スペース・倉庫管理費の削減
真空パックで商品をコンパクト化することで、物流倉庫での保管スペースを効率化。倉庫管理にかかるコスト削減につながります。
製品管理の品質向上(防湿・防カビ対策)
真空パックにして保管・輸送することで、ダニや細菌が生息できない環境をキープし、防湿・防塵・防カビ対策が期待できます。
災害用備蓄品の保管
災害用の備蓄毛布などの災害用商品にも真空パックを活用可能です。いざという時に備え、災害用備蓄品を衛生的かつ省スペースで保管できます。
真空パックの導入デメリット
利用価値の高い真空包装機ですが、デメリットもチェックしておきましょう。
導入にコストがかかる
真空包装機で安定したパフォーマンスを得るためには、真空度の強い業務用の真空包装機がおすすめですが、ある程度の導入コストがかかる点がデメリットと言えます。
※TOSEIの真空包装機であれば月々8,000円〜のリース対応も可能です。お気軽にご相談ください
設置場所を確保する必要がある
業務用の真空包装機には、コンパクトな卓上型から大型の据え置き型までさまざまなタイプがありますが、卓上型でも業務用はそれなりのサイズ感となります。購入前に必ず設置場所が確保できるかどうかを調べてください。
3.真空包装機ならどれでも同じじゃないの? 家庭用と業務用の違いは?
最近は、調理用としてご家庭でも気軽に取り入れられる真空包装機もたくさんの種類が販売されています。安価でコンパクトであることから、飲食店などの業務用利用でも導入しやすい家庭用製品を探される方も多いでしょう。
家庭用の真空包装機の多くは「ノズル式真空包装機」と呼ばれる機器です。袋のなかの空気を直接吸引するようなタイプです。
一方、業務用のしっかりした製品は「チャンバー式真空包装機」と呼ばれる機器です。チャンバーと呼ばれる部屋全体を吸引するようなタイプで、ノズル式に比べ真空度が強い点が特徴です。
真空包装機2タイプの比較
ノズル式真空包装機(主に家庭用) | チャンバー式真空包装機(主に業務用) |
---|---|
真空度が弱い | 真空度が強い |
食材の繊維のなかの酸素は抜けない | 食材の繊維のなかの酸素まで抜ける |
液体は真空パックできない | 液体も真空パックできる |
ノズル部分が汚染しやすい | 真空調理や長期保存向き |
比較的コストが安い | 比較的コストが安い |
チャンバー式真空包装機(主に業務用) |
---|
真空度が強い |
食材の繊維のなかの酸素まで抜ける |
液体も真空パックできる |
真空調理や長期保存向き |
比較的コストが安い |
ローストビーフなど、家庭でできる低温調理も人気がありますが、食材のなかの酸素が抜けきらない低真空でパックしたために中心温度達成不足となる可能性もあるので注意しておきましょう。
4.真空パック・真空包装機を選ぶ時に抑えるべきポイントは?
では、真空パックを行うための真空包装機を選ぶ際には、どのようなポイントをチェックすれば良いのでしょう。
真空度
真空包装機には、さまざまな真空度の機械が存在します。例えば、家庭用の安価な真空包装機は真空度39%以下、海外製などドライポンプ式でも真空度40~5%。真空度が低いと真空しても空気が抜けきらないため酸化や腐敗が進みやすくなります。
また、空包装機を使って真空パックしたものの時間が経過すると空気が入ってきてしまっては、期待する効果が得られなくなります。真空度や真空パックの強度についてチェックしておきましょう。
TOSEIの真空包装機「TOSPACK」は真空度99.8%で業界最高水準の真空度です。
機器の使いやすさ(操作性)
真空包装機を導入する際は、機器の操作性も大きなチェックポイントです。真空包装機を導入したものの使い方が複雑なために本来の目的が果たせないといったケースも増えています。ボタンの大きさや操作の流れなどが難しくないかを確認しておきましょう。
使えるフィルムの種類・コスト
実は、真空包装は意外と袋やフィルムのランニングコストがかさみます。家庭用の真空包装機でよく見られる、ノズルを差し込んで真空にするタイプでは専用の袋が必要となり、1枚あたり40〜80円かかると言われています。飲食店やホテル、大量生産品などの現場では、このフィルム代が月々のコストとして負担になることも。対応フィルムやコストについても確認しておきましょう。
いちどにパックできる個数や作業効率
業務用として大量の素材を真空パックする場合は、一つずつ真空パックするのは手間で作業効率も悪いと考える方もいらっしゃるでしょう。一度に真空パックできる個数や作業効率などもチェックしておきましょう。
メンテナンスのしやすさ
真空包装機を安心して使用するには、定期的なメンテナンスや、万が一故障や不具合があったときの対応も重要です。
5.業界シェアNo.1の真空包装機「TOSPACK(トスパック)」とは?
業務用でシェアNo.1※の、国産の真空包装機「TOSPACK(トスパック)」なら、食品の保存はもちろん、工業分野や物流分野でも活躍します。
※株式会社TOSEI調べ
どんな種類があるの?
業務用真空包装機「TOSPACK」は、さまざまな用途に合わせて使える40機種超のバリエーション。少量生産向けの卓上型、あつあつの食材にも対応した「ホットパック」タイプ、大量生産向けの大型の据置型(テーブルタイプ)やベルトコンベア式、さらには布団専用や卓上型まで豊富な種類から選べます。
70年の歴史を持つ、高品質の国産真空包装機
「TOSPACK」の開発・製造販売を行うのは、70年超の歴史をもつ日本の業務用機器メーカーTOSEI。真空包装機のほかにも、業務用クリーニング機やコインランドリー用の洗濯乾燥機でも定評のある信頼のメーカーが自信を持ってお届けしています。
国内の各エリアの拠点や東京・大阪のショールームを設置し、お客様の導入・メンテナンスをサポートします。
真空度は、99.9%! 業界最高水準です
業務用真空包装機「TOSPACK」は、真空度99.9%という強い真空度を実現。家庭用の安価な真空包装機(39%以下)、海外製などドライポンプ式(40~50%)と比べて真空能力が大きく違います。この強い真空度により、長期保存や真空調理、冷凍含浸調理、液体の保管などにおいても安定したパフォーマンスが期待できます。
「ホットパック」で熱々の食材にも対応!
TOSEIには高温の状態でも真空パックを可能にする「ホットパック」モードを搭載した機種があります。元来の真空包装機では出来立て熱々の煮物やスープは真空パックができませんでした。調理した後、一度冷却をしてから真空パックをする以外なかったのですが、ラーメンスープやカレーなど液状のものは冷却すると油分が凝固して分離してしまい、均等に袋詰めができないなどの課題もありました。これを解決したのが「ホットパック」機能です。食材の温度を計り自動で真空する非接触温度センサーが搭載されており、これはTOSEI独自の技術になります(特許 第5575827号)。高温のまま真空パックを可能にしたことで、作業時間を短縮し、菌・埃の付着リスクも低減します。
フィルムが安上がりで種類も豊富!
「TOSPACK」なら、用途に合わせて100円ショップなどで手に入るポリ袋を使って真空パックをすることが可能なんです。100枚入りで100円のポリ袋なら、1回あたり1円ですみます。
さらに、「TOSPACK」は、一般的なポリ袋から、和紙、アルミ箔ガゼット袋まで、すべての袋に対応している点も大きな特徴です。真空パックする素材や製品に合わせて多種多様なフィルムをご用意しています。お気軽にご相談ください。
タッチパネルでやさしい操作性
業務用の真空包装機は、操作が難しそうというイメージがあるかもしれません。「TOSPACK」の業務用の真空包装機は、大きなボタンやタッチパネルを搭載し、はじめて使う方にも操作しやすいように配慮されています。大きな文字やアイコンで見やすいので操作も簡単。コース設定などもワンタッチで行えます。
また、「TOSPACK(トスパック)」の業務用真空包装機には、ベルト式のものもあります。真空から排出まで自動運転で行え、作業者は商品を並べるだけで真空パックにできます。
シール方式が選べる!
大型の据置タイプなら、食材や商品に合わせて、シールを貼る場所を4タイプから選べます。
HACCP対策になるSDカード記録
HACCPでは衛生管理の実施状況を記録し、記録を保存する義務がありますが、「TOSPACK」には本体にSDカードが付いており、調理の日時、温度、調理者などの情報をSDカードに記録することが可能です。日々の記録が必要なHACCPに沿った衛生管理を実施するうえでも、安定した管理が効率的に行えます。
SDカードが付いている真空包装機もTOSPACKならではと言えます。
メンテナンス時期や異常をお知らせ!
真空包装機は、オイルを定期的に交換しないと、酸化による劣化やポンプ機能の低下、オイル漏れ、焼き付き等のトラブル発生の原因にもなります。「TOSPACK」なら、オイル交換時期になるとタッチパネル上に交換のお知らせ画面を表示。オイルの交換方法もタッチパネルに詳しく表示されるので、取扱説明書を見る必要がありません。
また、ヒーター断線、機械の異常発生状況などをお知らせしてくれるので、安心して作業ができます。
また、作業終了後には毎回ポンプオイル内の水分を取り除くため、ポンプクリーニングを自動で実施します。
凍結含浸調理対応のオプションも!
食材を柔らかくする介護食の新調理法「凍結含浸調理」のプログラムにも対応。介護業界の食事作りをサポートします。
6.全国どこでも出張デモや試食・体験セミナーを受付中!
「TOSPACK」についてもっと詳しく知りたい方に向け、調理セミナーや、全国どこにでも実機を持って伺う出張デモ、試食・体験セミナーなどを実施しています。オンラインでデモにも対応していますので、まずはホームページをチェックして、お気軽にご連絡ください。
出張デモの申し込みはこちら >> セミナー申し込みはこちら >>
最後に
いかがでしたか?幅広い業種で活躍する業務用真空パック。食品や製品の保管を高性能にするだけでなく、輸送コストの削減や経費削減、売上拡大などたくさんのメリットがもたらされるということをご理解いただけたかと思います。またTOSEIの真空パック機(TOSPACK)であれば補助金を活用して導入時の経済的負担を軽減したり、優遇税制の適応なども可能です。まずはご興味があればお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ・資料請求はこちら >> セミナー申し込みはこちら >>
- 関連記事
- 真空パックの優れた効果
- 製品一覧
- 真空包装機セミナー