グローバルフィールド
- 住所
- 青森県三戸郡
食品加工(畜産)・ネット通販
「青森シャモロック」は、名古屋コーチン、比内地鶏と同等の評価を得るブランドで、宮内庁管轄の御料牧場にも雛が出荷されるほど。通常よりも手間も暇もかかるこの地鶏を、一羽一羽、愛情たっぷりに飼育。処理、加工、販売に至るまで、一貫して自社で生産する株式会社グローバルフィールドの代表取締役・保坂梨恵さんに、TOSEIの真空包装機を導入することで実現できた販路拡大についてのお話を伺いました。
飼育から販売まで、「青森シャモロック」ひと筋
「青森シャモロック」の魅力を教えてください。
「青森シャモロック」は、青森県畜産試験場が苦心してブランド化に成功した、高品質な地鶏です。弊社では飼育から販売までをすべて一貫して手掛けおり、そのブランドに恥じない安全安心な生産を心がけています。 通常の2倍の時間をかけ、平飼い(放し飼い)で大切に育てています。ピアノ線に例えられる繊細で奥深い食感が特徴で、濃厚な出汁が取れると、料理の専門家からも好評をいただいています。
鶏肉は、グルタミン酸とイノシン酸の含有量が多いほど、おいしくなります。「青森シャモロック」は、いずれの成分も有名な地鶏より数値が高く、味わいへの信頼も獲得しています。 なお、「青森シャモロック」販売のシェアとしては、約50〜60%を弊社が占めています。
大袋から小袋へ。ニーズの変化に応えて
真空包装機をリニューアルした経緯について教えてください
もともとは食肉処理場で、長年真空包装機を使ってきましたが、老朽化が激しくなってきたためリニューアルを検討していました。またコロナ禍に入ってから販売形態がガラリと変わったことも、リニューアルを決めた大きな理由となりました。
以前までは、飲食店さまからの業務用のご注文が多く、これまでの包装機(大袋での生産)でも対応できていましたが、ギフト商品や、半年ほど前からは海外輸出も手がけるようになったのです。つまり飲食店さま向けの大きいサイズの真空パックから、小型の個包装容器に肉を入れて真空し、しかもそれを大量に必要とする、といった需要に変わってきたのです。これをいい機会と捉えて、機器の買い換えと、生産性の増強を検討し、真空包装機の選定を行いました。
作業の自動化で、大量受注にも対応可能に
ベルトコンベア型導入前と比べて、作業効率はどう変化しましたか?
古い機械では、人が手で機械の扉をあけて、一個一個素材を並べて扉を閉め、真空がかかるとまた扉をあけて回収する。といったように、一つひとつの作業に、すべて人の手がかかっていました。そうなると大量に生産するのが難しいということになります。これは以前から抱えていた問題で、ベルトコンベアに変えたいという気持ちがありましたので、いいタイミングになりました。
最近では注文数がとても多く、数百パックを一度に納品する必要に迫られることがあります。ベルトコンベアですと、並べるだけであとは自動で排出されますので、作業時間も大幅に短縮されます。 納期までに間に合わせなければならない、といった精神的なストレスからも解放され、品質管理や販売促進など、その人の隠れた能力や適性、意欲を見出して配置変えをするといったことも可能になりました。作業の自動化は、生産能力をあげるだけでなく、人の可能性を広げることにもつながっていると実感しています。
人手不足の解決から、求人の課題解決へ
生産の自動化によって、採用の面でもメリットを感じているそうですね。
わたしたちもたびたび求人をかけているのですが、なかなか人が集まらないという現状があります。とくに八戸市という大きな都市のすぐ近くではあるのですが、ちょっと離れた立地であることも人がきてくれない原因のひとつで、毎年採用には苦労しています。ですから少ない人数でどう生産性をあげることができるかという、ここ数年の課題がありました。 そうした中で、今回の機械化によって人の作業を省略化し、かつ効率的に商品を生産できるようになったわけです。製造作業から、販売へと労力を回すことができるようになったことには、大きな意味があると思っています。「青森シャモロック」を世に送り出している立場としては、このおいしさを、より多くの人に届けたい、食べてもらいたい、という想いがあります。この想いに、一歩近づけたと感じています。
直接的に真空包装機を導入したから人が集まる、ということではないのですが、生産効率のアップとマンパワーの最適化を可能にしたことで、長期的な視点でみると全体の付加価値があがると考えています。その結果、今後はたとえば給与に反映できたり、仕事として魅力的なポジションが新たに生まれたり、といった変化も期待しています。意欲的な人材が集まりやすい、企業の魅力の醸成につながってほしいと願っています。
真空包装機の導入がきっかけで、ギフトや海外向けに販路を拡大
リニューアル後の商品販路についてお聞かせください。
以前は1kg入りなどの大きなサイズでしか、製品を作っていなかったのですが、今では200gの小さいサイズの加工食品に注文が増えています。海外からも小さいサイズで納品してほしいというご要望が多く寄せられるようになってきました。また、ギフト商品では小さいものを何種類か詰め合わせたセットの方が喜ばれるということもありますので国内での販路も広がりつつあります。お陰さまで、トータルでの需要は伸びています。
中でもとくに真空包装機の導入がきっかけで、大きな変革が可能になった点として、海外向けの商品の製造、ということがあげられます。 海外への出荷については以前から気になっていましたが、当初わたしたちに何ができるのか、具体的にはわからないという状態にありました。昨年、青森県庁で、今まで海外輸出の経験がない事業所にも香港やシンガポール向けに商品を出荷できるかテストしてみようという取り組みがありました。 そこでギフト商品として製造していた200gの味付け肉をご紹介したところ、「これは絶対に香港で人気がでる」と言っていただきました。その言葉に後押しされ、出荷したところ、確かに評判もよく、手応えを感じました。 途中、国内で鳥インフルエンザが発生して輸出できない期間もあったのですが、今では安定して注文がきています。近々香港のバイヤーの方が青森にいらっしゃるということなので、商談を予定しています。 海外の方は、日本の高品質の食材を求めています。さらには地鶏の加工品は珍しいということで、そうした背景もあってニーズが高まっていると思います。
海外の方に「青森シャモロック」のおいしさを存分に味わっていただくためには、本来であれば新鮮な生肉を提供できればいいのですが、まだ弊社の施設がそこまで整っていないという状況です。現状では、味付けをした肉を冷凍し、小袋タイプで販売するに留まっていますが、香港向けでは「青森シャモロック」の需要が十分にあるということがわかったので、中長期的に成長をめざしていける販路のひとつを開拓できたと考えています。 今後も国内外の多くの方々に、「青森シャモロック」を知っていただくために、飼育から製造、販売まで一貫して管理することで、安全安心と高品質な商品をご提供していきたいと考えています。
真空包装機の資料請求、導入のご相談はこちら
- 真空調理セミナー
- 真空保存から一歩前進!
真空調理を体験してみませんか?